オーシャン動物病院イメージ

去勢・避妊

不妊手術(去勢,避妊手術)については、様々な考え方があると思います。
提携病院のHPでもそうですが、通常ほとんどの動物病院では不妊手術を積極的に勧めています。動物の生殖機能を止めるという行為は、本来あるべき姿を変えてしまう訳ですから、その意味合いを理解 / 考えもせず行うことはナンセンスな話だと思います。しかし、動物病院側が不妊手術を勧めるにはきちんとした理由があります。
まずはその事を理解いただく事が大切であると考えます。

当院では、こちら側から積極的に手術を勧めていく方針は取っておりませんが、生活アドバイスの中や、不妊手術の相談を受けた際にメリット / デメリットを説明しています。

不妊手術の時期

季節や年齢に関わらず、手術自体はいつでも可能です。
当然の事ながら、“手術について”で述べたように年齢や基礎疾患の有無によって麻酔のリスクは異なります。 早期の不妊手術では、通常4ヶ月から6ヶ月齢で実施します。

不妊手術実施可能動物

犬,猫、ウサギ、フェレット,ハムスター

手術の目的とメリット

  1. 繁殖の防止
    当然の事ながら、不妊手術の最大の目的は不要な繁殖を防止する事です。その中には望まれないが故に不幸な扱いを受ける動物も問題もありますし、繁殖による伝染病の拡大といった事も含まれます。
  2. 行動的な問題、飼育上の理由
    雄であれば、攻撃性や逃走癖、マーキング、などの問題行動をある程度抑制できます。さらにそれによって付随するトラブルを未然に防ぐ事にもつながります。
    雌であれば、外陰部からの出血で室内が汚されたり(犬)、鳴き声で眠れないといった事(猫)もなくなります。また、発情時に体調を崩すことも無くなり飼育しやすくなります。
    交配時の伝染病の伝播も防ぐ事ができます。
  3. 病気の予防
    雄では、精巣腫瘍や性ホルモン関連疾患、前立腺疾患、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫など・・・。
    雌では、子宮蓄膿症を含む子宮疾患、卵巣腫瘍や卵胞のう腫、乳腺腫瘍(犬のメス)など ・・・。
    中でも犬の乳腺腫瘍は初発情前に避妊手術を行う事で発生率を抑えられると言われています。その他にも、現在患っている疾患の安定や治療の目的で実施される場合もあります。

手術のデメリット

前述のような目的で行ったとしても、全ての問題が解決するとは限りません。

  1. 肥満の問題
    比較的よく聞く問題がこの術後に太ってきたという話です。しかし多くの場合、きちんとした栄養管理や適切な運動を行えば防げる問題とも言えます。実際、不妊手術後も全く太らないペットも沢山います。逆に、先に記載したような手術により得られる恩恵に比べると大きな問題とは言えないかもしれません。
  2. 行動矯正の問題
    攻撃性、ハイテンション、マーキングなどに関しては、早期であればある程度期待できると言われています。しかし、一度問題行動として定着した場合、後天的要素も加味されている為、思ったほどの効果が得られない場合もあります。
  3. やはり子供が欲しくなった
    現在行われる手術法は、雄では精巣摘出術、雌では卵巣子宮全摘出術となります。
    そのため一度失った生殖器はもとに戻せませんので、手術前によく考えていただく必要があります。
  4. ホルモン失調
    最近の研究で、早期不妊手術により稀にホルモンのアンバランスを起こすケースも報告されています。

実際の手術について

  1. 当院では安全の為に、5歳齢未満のペットでも術前検査を実施しています。
    できるだけ検査をしてから手術を受けるようにして下さい(詳細)。
    性格の問題で、術前検査が不可能な場合でも、鎮静後すぐに実施して対処します。
    費用は、概算で8,000円から12,000円程度です。
  2. 去勢手術
    必ず全身麻酔下で行います。
    術野を剪毛して、きちんと殺菌消毒を実施します。
    手術道具も確実に滅菌処理したものを使用します。
    手術前に、抗生物質や鎮痛剤を投与(注射)し、必要ならば精神安定剤や鎮静剤も併用します。 正常であれば、雄の精巣は腹腔から出て陰嚢という皮下スペースにあります。
    基本的にはこの部位(またはその近辺)の皮膚を切開して精巣を取り出し、血管や精管を結紮して切除します。皮下及び皮膚を縫合して終了します(犬の場合。猫では切開創が小さいので、縫合せずに開放創で治癒させます)。
    手術自体は、時間にして5分から20分程度です。 通常1週間後に傷口の確認や抜糸を行います。
  3. 避妊手術
    去勢手術と同様に、必ず全身麻酔下で、術野の殺菌消毒と滅菌道具によるクリーンな手術を行います。
    雄と違って雌の場合は開腹手術のため、感染防御と疼痛管理がとても重要です。確実に術前に必要な処置を実施します。
    術式は様々ありますが、当院では全てにおいて卵巣子宮全摘出術を行います。切開創は大きいほど術者は楽ですが、術後や動物の事を考えて毎回できるだけ小さな切開になるように努力します。
    卵巣子宮を摘出後に吸収糸で腹筋と皮下組織を別々に縫合し、最後に皮膚を特別な吸収性縫合糸(バイクリルやPDS)で縫合します。
    当院ではほとんどのケースで、皮内縫合という特殊な縫合閉鎖を実施しています。これにより、術後のケアが非常に楽になり、ペットも飼主様もストレスが軽減(エリザベスカラーが不要!)されるようにしています。
    手術自体の時間は、猫で30分程度。犬ではサイズによって異なりますが、概ね20〜60分が目安です。 通常1週間後に傷口の確認や抜糸を行います。
    当院はできるだけペットに苦痛を与えない疼痛管理(ペインコントロール)に力を入れています。

手術費用について

● 不妊手術費用概算(5歳未満で健康なペットの場合)
  去勢
・血液検査
・手術
去勢
・手術のみ
避妊
・血液検査
・手術
避妊
・手術のみ
23,700円 16,000円 31,700円 24,000円
小型犬
(〜7kg)
30,700円 23,000円 41,700円 34,000円
中型犬
(7.1kg〜15kg)
37,700円 30,000円 45,700円 38,000円
大型犬
(15.1kg〜30kg)
44,700円 36,000円 52,700円 45,000円
超大型犬
(30.1kg〜)
49,700円〜 42,000円〜 62,700円〜 55,000円〜
* 消費税込み

料金はあくまで目安で、検査数値や個体の状態によって変わることがあります。

※基本的に、しっかりとした疼痛管理(鎮痛性麻酔薬の選択や消炎鎮痛剤の使用、局所麻酔薬の術中散布)を行います。

※ほとんどのケースで、特殊な吸収性縫合糸による皮内縫合を行なうため術後管理が容易になります。

短頭種では、特別な麻酔管理が必要なため、追加2,160円となります。

手術費用には、麻酔・注射・入院・一部の内服薬代が含まれます。

一般的な血液検査(血液血球検査と血液生化学検査)は、7,668円です。

事前に当院の規定する予防(予防接種及び外部寄生虫予防)が必要です。

5歳以上の場合や基礎疾患がある場合は、別途必要な処置が必要です。

その他の外科手術は内容により異なります。

最後に

私の恩師の一人である先生の言葉を引用させていただきます。

犬猫は私たちの良きパートナーとして、時には心を癒し、勇気づけ、心を豊かにさえしてくれます。この限られた地球上に存在する動物たちとの共存共栄が生命の尊重にも繋がっています。 不幸なペットを1匹でも減らす為に私たちの正しい知識と認識が必要なのです。

何が目的か?愛する自分のペットの為にどうしてあげたいのか?
その事を、少なくとも一度は自分なりによく考えて下さい。それがとても大切な事だと思います。飼った以上は、そのペットの人生に責任を負ったという事を自覚して下さい。