犬と猫の外耳炎|耳のかゆみ・においから考えられる原因と受診の目安
耳をかく・においがする・耳垢が増えたと感じたら外耳炎かもしれません。犬猫それぞれの原因や受診の目安を獣医師監修で解説します。
【この記事の要点】
犬猫の外耳炎は耳の中の炎症で、繰り返しやすく放置すると中耳炎に進むこともあるため早めのケアが大切です。
症状の詳細(耳の様子で見分ける)
外耳炎では、以下のような症状が見られます。
| 耳の様子 | 示唆されること |
| 耳をかく・頭を振る | 外耳道のかゆみや不快感 |
| 耳が赤い・においがする・耳垢が増えた | 外耳炎による炎症の可能性 |
| 黒いコーヒーかす状の耳垢(猫に多い) | 耳ダニ症の可能性 |
| 耳介が急に腫れる(犬に多い) | 耳血腫など外傷を伴う炎症の可能性 |
| 頭が傾く・眼が左右に揺れる | 炎症が中耳・内耳まで及んでいる可能性(緊急性が高い) |
| 症状を繰り返す | アレルギー体質など根本的な原因が背景にある可能性 |
観察のポイント:耳垢の色やにおい、かゆみの程度、片耳か両耳か、繰り返しているかどうかを記録しておくと診察の参考になります。犬では垂れ耳の犬種は蒸れやすく、猫では多頭飼育の場合に他の子にも同様の症状がないかを確認してください。
症状がある場合に考えうる疾患の一覧
外耳炎の背景には、以下のような原因が考えられます。
- 感染性のもの:細菌性外耳炎、マラセチア性外耳炎、耳ダニ症
- アレルギー体質によるもの:犬アトピー性皮膚炎、猫アトピー性皮膚症候群、食物アレルギーに伴う外耳炎
- 異物・外傷によるもの:耳道内異物、耳血腫(犬に多い)
- 重症化・慢性化するもの:中耳炎、耳道内腫瘍、耳道ポリープ(猫)、慢性外耳炎による耳道の狭窄
犬と猫で異なる注意点
- 犬はアレルギー体質(アトピー性皮膚炎など)や垂れ耳の犬種で外耳炎を繰り返しやすく、根本的な体質管理が重要になります。
- 猫は耳ダニ症が原因になることが多く、黒いコーヒーかす状の耳垢が特徴的なサインです。耳ダニは接触でうつることがあるため、多頭飼育の場合は他の猫のチェックも必要です。
- 犬では耳介が急に腫れる耳血腫が比較的多く見られますが、猫では耳道ポリープなど腫瘤性の病変が背景にあることもあります。
今すぐに来てほしい症状
以下のようなサインが見られる場合は、様子を見ずすぐにご連絡・ご来院ください。
- 頭が傾く・眼が左右に揺れる(中耳炎・内耳炎や前庭疾患が疑われます)
- 耳介が急に大きく腫れてきた(犬)
- 耳から膿や強い出血がある
- 痛みが強く、耳を触られるのを激しく嫌がる
- 症状が長引き、耳垢の量や悪臭が急に増えてきた
診断・検査
問診で症状の経過やこれまでの治療歴を伺い、耳鏡検査で耳道内の状態を確認します。耳垢を顕微鏡で調べ、原因菌や耳ダニの有無を確認し、慢性化している場合はアレルギー検査などを行うこともあります。検査の目的や結果は必ずご説明のうえお渡しし、飼い主様のご了解を得ながら治療を進めます。
治療法と費用の目安
原因に応じて点耳薬や洗浄剤を用いた耳道のケア、耳ダニには駆虫薬を用いた治療を行います。アレルギー体質が背景にある場合は療法食やスキンケアなど根本的な管理も併せてご提案します。費用の目安は3000円〜となりますが、検査・治療内容によって変動しますので診察時にお見積もりをご提示します。慢性化・重症化している場合は、高度医療施設との連携もご提案いたします。
家庭でのケア・再発予防
耳のお手入れは優しく、綿棒を耳の奥まで入れないよう注意してください。自己判断で市販薬を使うと悪化することもあるため、まずはご相談ください。犬ではシャンプー後に耳の中をしっかり飛ばす、垂れ耳の犬種はこまめにチェックする、猫では多頭飼育の場合に耳ダニの広がりに注意することが再発予防に役立ちます。
よくある質問(FAQ)
Q. 外耳炎は自然に治りますか? A. 軽度でも自然に治ることは少なく、放置すると悪化・慢性化しやすいため、早めの受診をおすすめします。
Q. 黒い耳垢が出たら必ず耳ダニですか? A. 猫では耳ダニ症であることが多いですが、他の原因のこともあるため、顕微鏡検査で確認することをおすすめします。
Q. 外耳炎を繰り返すのはなぜですか? A. 犬ではアレルギー体質や耳の形状(垂れ耳など)、猫では耳ダニの再感染などが背景にあることが多く、根本的な原因の管理が再発予防につながります。日常的な正しいケアが大切です。
まとめ
犬猫の外耳炎は身近な症状ですが、繰り返しやすく放置すると重症化することもあります。当院は獣医療の質の向上に努めながら、その子に合ったケア方法を丁寧にご説明しています。耳のかゆみやにおいが気になったら、遠慮なくご相談ください。関連する記事として「犬のかゆみ」「猫が体をかく」もあわせてご覧ください。
監修:音成伸悟(獣医師/院長) 本記事はオーシャン動物病院の音成伸悟が監修しています。






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