笑顔と思いやりのオーシャン動物病院

0538-31-2311

静岡県磐田市上岡田942-4

軟部外科

当院の軟部外科について

軟部外科とは、神経外科や整形外科以外のほぼ全ての組織を扱う外科分野です。
不妊手術などの予防的な手術から、様々な臓器に発生しうる腫瘍性疾患での外科手術など、多種多様な手術に対応しています。

軟部外科でよくみられる疾患

軟部外科治療が必要となる疾患の中でも、 特によくみられる手術をご紹介します。

不妊手術

将来的に繁殖を考えていない場合には、将来発生する病気のリスクを軽減することを目的として、若い時期の不妊手術をお勧めしています。不妊手術には、望まない繁殖を防ぐ以外にも下記のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

避妊手術(女の子)
  1. 特有の行動の減少
    発情時特有の神経質な状態や鳴き声の減少、発情出血がなくなります。
  2. 病気の予防(乳腺腫瘍・子宮蓄膿症)
    乳腺腫瘍は早期の不妊手術で発生率の減少が期待できます。
    子宮蓄膿症は避妊手術を受けていないワンちゃんが7歳以降に多く発症する病気です。名前の通り子宮に膿が溜まってしまい、命に関わる非常に怖い病気です。
去勢手術(男の子)
  1. 縄張り意識の減少
    マーキングやマウンティング、攻撃性の減少が期待できます。
  2. 病気の予防(精巣腫瘍・前立腺肥大・肛門周囲腺腫)
    排便・排尿困難につながる前立腺肥大の予防や、雄性ホルモンが発生に関与する腫瘍の予防につながります。

デメリット

共通
  • エネルギー代謝が落ち太り易くなります。
  • 手術前に比べ、20~30%もエネルギー代謝が落ちるといわれています。
  • 食事や運動といった管理で体重を維持することが必要になります。

手術のタイミングについて

避妊手術(女の子)

生後6ヶ月程度で手術を行います。
中型犬以上の体の大きな子は2歳以降で行う事をおすすめしております。

去勢手術(男の子)

生後6ヶ月程度で手術を行います。
性成熟がくる時期やマーキングを始める時期が生後6ヶ月以降と言われているためです。

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は、子宮内に感染がおきることで膿が貯留してしまう病気です。非常に強い感染症のため、命に関わる危険な病気になります。
症状としては元気がない、食欲がない、多飲多尿など多岐に渡り、症状のみで判断するのは難しいです。
血液検査・レントゲン検査・エコー検査などを行い、感染や炎症の有無、子宮に液体が貯留していないか確認します。子宮蓄膿症と診断された場合には、子宮・卵巣全摘出術が必要になります。
子宮蓄膿症は治療が遅れると細菌の出す毒素によって多臓器不全・腹膜炎・敗血症を起こすこともあるため、早期発見・早期治療が非常に大切になります。

膀胱切開(膀胱結石や膀胱腫瘍)

膀胱結石や膀胱腫瘍がみられる場合に、膀胱切開により膀胱結石の摘出や膀胱にできた腫瘍を切除します。症状としては、血尿、頻尿等の膀胱炎の症状がみられます。
尿検査・レントゲン検査・エコー検査などを行い、血尿の有無、結晶や細胞の確認、膀胱の内部構造など検査していきます。

膀胱切開手術を行い、結石を摘出したり腫瘍を切除したりするほか、結石の種類によっては食事療法による内科的コントロールを選択することもあります。

胃・腸切開(消化管内の異物除去など)

消化管内異物の摘出や消化管内腫瘍を切除するためなどに行われます。
消化管内に異物があるかを確認するためには、レントゲン検査や造影検査、腹部エコー検査などを行います。異物の有無を確認するだけでなく、消化管運動の確認や、消化管内の狭窄や閉塞などを確認することも出来ます。
消化管内に異物が見つかった場合や腫瘍により消化管閉塞を起こしている場合は開腹手術を行います。

会陰ヘルニア

会陰ヘルニアは、会陰部の筋肉が薄くなることで、肛門周りのスペースに直腸や膀胱などが飛び出してくる病気です。初期症状としては肛門の横や下が膨れたり、便が出にくくなります。進行すると腫れが大きくなり、便や尿が出なくなったり、出血することもあります。
会陰ヘルニアの診断を行うためには、直腸検査やレントゲン、エコー検査で直腸や前立腺などの変位を確認し、血液検査で臓器のダメージや全身状態を確認していきます。
ヘルニアは自然に治ることはなく、時間の経過とともにヘルニア孔が拡大していくことが多く、尿が出せなくなったり、致命的となる直腸穿孔を起こす可能性もあるため、治療には外科手術が必要となります。

動物に負担の少ない手術を目指して~6つの取組~

  • しっかりとした手術の説明を

    手術はメリットだけではありません。麻酔のリスクや、術後のストレス等のデメリットもあります。当院では手術の必要性があるときは、しっかりと説明させて頂き、ワンちゃんネコちゃんと飼い主様にとって最善の方法を一緒に考えていきます。

  • 動物に「痛み」の少ない方法を

    痛みを感じている動物はストレス下にあり、あまり食事をしなくなり、エネルギーが不足してしまい、回復に時間がかかってしまいます。つまり、痛みを無くしてあげることで、早期改善や早期退院が期待できます。当院では手術前と手術中、術後に鎮痛剤を投与することで、「痛みのコントロール」を行っております。

  • 動物に「負担」の少ない方法を

    手術時にかかる動物への負担は「麻酔の時間」です。麻酔にかかっている時間が長いほど、麻酔のリスクが大きくなります。そのため、手術時間をできる限り短くすることが、麻酔の負担を減らすことに繋がります。当院では、手術時間を短縮するために、最新の電気メスなどの医療機器の導入や、麻酔科医とのカンファレンスを行い、リスクの低減に努めています。

  • 万が一に備える体制を

    手術はどんなに安全な方法で行っても、万が一の可能性があります。その場合に備えるため、手術中の生体管理では機械のよる管理はもちろん、複数人での人による管理も行っています。
    また、術後管理においても、動物が飼主様の元へ元気になって帰っていくまでが手術です。そのため、手術直後のICUによる術後管理はもちろん、術後の飼主様への説明、手術数日後までのアフターケアなど、最後までしっかりと行うことが、動物病院としての責任であると考えています。

  • 安心の術前検査を

    当院では安心して麻酔や手術を受けていただくために、術前検査をお勧めしております。血液検査・レントゲン検査を基本として、年齢に応じた検査内容を追加して行います。
    術前検査の実施により、麻酔や手術中の急変や、術後の経過不良などを起こすことを事前に察知することができ、より安全な手術が実施出来ます。

  • 安全な環境整備を

    清潔で安全な環境作りのために手術室はもちろん、全室を、消毒・滅菌などの院内感染予防を徹底しています。当院では院内全室を消毒液などで日々清掃を行い、安全な環境作りのために努めています。

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